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確定申告前に確認!医療費控除で間違えやすい7つのポイント|岐阜の事業者の所得税申告

  • 投稿:2026年10月22日
確定申告前に確認!医療費控除で間違えやすい7つのポイント|岐阜の事業者の所得税申告

確定申告で利用することが多い「医療費控除」。

「医療費が10万円を超えたら使える」「家族の医療費はまとめられる」といったことはご存じの方も多いと思います。

しかし、実際の申告では、誰が医療費を支払ったのか、いつ支払ったのか、保険金などを正しく差し引いているかによって、控除できる金額が変わります。

また、医療費のお知らせに記載された金額を、そのまま申告してよいとは限りません。

今回は2026年分(令和8年分)の確定申告に向けて、医療費控除の基本から間違えやすい実務上の注意点まで、具体例を交えて解説します。

1.医療費控除とは?10万円を超えなくても使える場合がある

医療費控除とは、1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合、その金額に応じて所得控除を受けられる制度です。

医療費控除の金額は、原則として次のように計算します。

医療費控除額=実際に支払った医療費-保険金等で補てんされる金額-10万円

ただし、総所得金額等が200万円未満の場合には、10万円に代えて「総所得金額等の5%」を差し引きます。

医療費控除額の上限は200万円です。

具体例:所得によって基準額が変わる

仮に、保険金等を差し引いた後の医療費が年間15万円だった場合を比較します。

項目 Aさん Bさん
総所得金額等 500万円 150万円
対象となる医療費 15万円 15万円
差し引く基準額 10万円 7万5,000円
医療費控除額 5万円 7万5,000円

※実在の顧問先ではなく、計算方法を示す仮定例です。

医療費が同じでも、所得によって控除額は変わります。

また、医療費控除は所得から差し引く制度です。例えば医療費控除額が5万円だからといって、所得税が5万円還付されるわけではありません。

実際の節税額は、その方の所得や適用税率、他の所得控除などによって異なります。

2.家族の医療費は合算できる?扶養の有無だけでは決まらない

医療費控除の対象となるのは、本人が支払った自分自身の医療費だけではありません。

本人と生計を一にする配偶者やその他の親族のために、本人が支払った医療費も対象になります。

ここで重要なのは、税法上の扶養控除の対象であるかどうかと、医療費控除でいう「生計を一にする」かどうかは別の判断だということです。

例えば、次のようなケースがあります。

  • 共働き夫婦で、夫が妻の医療費を支払った場合

  • 親が子どもの医療費を支払った場合

  • 別居している親へ生活費や療養費を継続的に送金し、実際に医療費を負担した場合

いずれも、実際に生計を一にしている関係や費用の負担状況によって判断します。

一方、家族だからという理由だけで、別々に支払った医療費を自由に一人の確定申告へ集められるわけではありません。

所得が高い家族にまとめればよい?

所得税の税率が高い方が医療費控除を受けると、結果的に税額への影響が大きくなる場合があります。

しかし、医療費控除は実際にその医療費を支払った人が受けるものです。

家族のうち誰が支払ったかを確認せず、申告の段階で任意に振り分けることはできません。

家計から支出している場合は、実際の負担関係を確認しましょう。

3.医療費控除は治療日ではなく「実際に支払った年」で判断する

2026年分の医療費控除の対象は、原則として2026年1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です。

例えば、2026年12月に入院し、2027年1月に医療費を支払った場合、その医療費は原則として2027年分の対象になります。

反対に、2025年中に治療を受けた医療費でも、2026年中に支払ったものであれば2026年分の対象です。

クレジットカードで支払った場合

医療機関の窓口でクレジットカード決済が成立した場合、通常はカードの口座引落日ではなく、カードによって医療費を支払った時点で判断します。

例えば2026年12月に病院の窓口でカード決済し、口座引落しが2027年1月になった場合でも、原則として2026年分の医療費となります。

一方、医療費後払いサービスなどでは、診療を受けた日と後日のカード決済日が異なることがあります。サービスの仕組みと実際の決済状況を確認する必要があります。

年末に受診した医療費については、受診日だけでなく支払日も確認してください。

4.高額療養費・入院給付金などは正しく差し引く

医療費控除では、支払った医療費から、その医療費を補てんするために受け取った保険金や給付金などを差し引きます。

代表的なものは次のとおりです。

  • 生命保険会社から受け取った入院給付金

  • 健康保険から支給される高額療養費

  • 家族療養費

  • 出産育児一時金

具体例:入院給付金を受け取った場合

仮に、次の医療費を支払ったとします。

内容 金額
入院費 30万円
その他の通院費 12万円
医療費合計 42万円
入院に対する保険給付金 20万円
差引後の医療費 22万円

総所得金額等が200万円以上の場合、医療費控除額は12万円です。

ここで重要なのは、保険金等は、その給付の対象となった医療費から差し引くという点です。

例えば、入院費30万円に対して40万円の入院給付金を受け取った場合、差し引く金額はその入院費の30万円までです。

余った10万円を、別の通院費などから差し引く必要はありません。

高額療養費がまだ振り込まれていない場合

確定申告の時点で高額療養費の支給額が確定していない場合には、原則として見込額を使って医療費控除を計算します。

その後、実際の支給額との差が判明した場合には、必要に応じて修正申告や更正の請求を行います。

給付金の振込みがまだないからといって、支給見込額を無視して申告しないよう注意してください。

5.入院費・通院費はどこまで対象になる?

医療費控除では、病院や薬局に支払った金額がすべて対象になるわけではありません。

特に入院時には、診療費のほかに食事代、寝具、日用品、付き添いに関する費用などが発生するため、区別が必要です。

対象となるもの・ならないもの

費用の内容 医療費控除の取扱い
医師・歯科医師の診療費、治療費 原則対象
治療に必要な医薬品 原則対象
入院中に病院から提供される通常の食事 原則対象
入院時のパジャマ・洗面具など 対象外
本人や家族の希望による差額ベッド代 原則対象外
療養上必要な付添人への正規の付添料 対象
親族への付添料 対象外
電車・バスによる通常の通院費 原則対象
自家用車で通院した際のガソリン代・駐車料金 対象外
やむを得ない事情によるタクシー代 対象になる場合あり

例えば、病状から公共交通機関を利用できず、通院にタクシーを利用した場合には、必要性等に応じて対象となる場合があります。

しかし、単に「タクシーの方が便利」という理由だけでは通常は認められません。

家族の付き添い交通費は?

患者の年齢や病状などから、一人での通院が困難で付き添いが必要な場合は、その付添人の交通費も対象になり得ます。

一方、入院患者のお見舞いのために家族が病院へ行く交通費は、原則として対象になりません。

医療費控除の対象かどうかは、診療・治療に直接必要な費用かという観点で確認することが重要です。

6.「医療費のお知らせ」の金額をそのまま申告しない

確定申告では、健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」や、マイナポータルを通じた医療費通知情報を活用できます。

ただし、医療費通知に記載されている金額が、必ずしも実際の自己負担額と一致するとは限りません。

例えば、次のようなものがあります。

  • 医療費助成による自己負担額の減免

  • 通知の作成時点でまだ反映されていない受診分

  • 自由診療など通知対象外の医療費

  • 医療機関等へ別途支払った対象費用

岐阜県内の医療費助成を受けている場合

瑞穂市、岐阜市、大垣市などでは、市町村の制度に基づいて医療費助成が行われています。

助成を受けた医療費について、医療費通知に助成前の金額が記載されている場合、その全額を医療費控除に使用できるわけではありません。

実際に本人が負担した金額を確認する必要があります。

これは医療費通知による申告で特に注意したい点です。

領収書の保管も忘れずに

原則として、医療費控除を受けるには「医療費控除の明細書」を作成して申告書に添付します。

領収書から明細書を作成した場合、対象となる領収書は確定申告期限等から原則5年間保存します。

一定の要件を満たす医療費通知を利用した部分については、明細書の記載を簡略化でき、領収書の保存が不要になる場合があります。

通知に記載されていない医療費を追加する場合などは、対応する領収書等を保管しておきましょう。

7.見落としやすい先発医薬品の「特別の料金」

後発医薬品(ジェネリック医薬品)がある一部の先発医薬品について、患者の希望で先発医薬品を使用した場合には、「特別の料金」が発生する制度があります。

この「特別の料金」についても、治療や療養に必要な医薬品の費用として医療費控除の対象になります。

2026年6月からは制度の見直しが行われ、対象となる先発医薬品と後発医薬品の価格差に基づく特別料金の計算割合が、従来の4分の1から2分の1へ変更されています。

この特別料金は保険適用外の費用であり、医療費通知だけでは把握できないため、薬局等の領収書を確認する必要があります。

調剤薬局をよく利用する方は、領収書を処分する前に確認してください。

確定申告前に準備するもの

医療費控除の申告を円滑に進めるため、次の資料を準備しておきましょう。

  • 医療機関・薬局の領収書

  • 医療費のお知らせ、医療費通知情報

  • 通院時の公共交通機関の利用記録

  • 生命保険会社の入院給付金等の支払通知

  • 高額療養費の支給決定通知書または支給見込額が分かる資料

  • 医療費助成の内容が分かる資料

  • 先発医薬品の特別料金など、医療費通知に載らない費用の領収書

領収書は、医療を受けた人ごと、病院・薬局ごとに整理しておくと集計しやすくなります。

また、国税庁の「医療費集計フォーム」を利用すれば、Excelなどで集計した情報を確定申告書等作成コーナーへ取り込むこともできます。

医療費控除とセルフメディケーション税制はどちらが有利?

医療費控除には、通常の医療費控除とは別に「セルフメディケーション税制」という特例もあります。

対象となる一定の市販薬などの購入額について、必要な条件を満たす場合には、12,000円を超えた部分を所得控除できます。

ただし、同じ年について通常の医療費控除とセルフメディケーション税制を両方適用することはできません。

どちらが有利かは、医療費の合計額、対象医薬品の購入額、所得などによって異なります。

医療費が10万円を超えていない場合でも、市販薬の購入額が多ければ検討する価値があります。

会社員や会社役員も注意!ふるさと納税との関係

医療費控除は年末調整では受けられないため、会社員や会社役員が医療費控除を受ける場合には、自分で確定申告を行う必要があります。

また、ふるさと納税のワンストップ特例を利用していた方が医療費控除のために確定申告すると、ワンストップ特例の申請は無効になります。

そのため、確定申告する場合は、ワンストップ特例を申請した寄附も含めて、その年のふるさと納税を申告書へ記載する必要があります。

医療費控除だけ申告し、ふるさと納税を申告し忘れることがないようにしてください。

医療費控除についてよくある質問

Q.家族の医療費を夫の申告にまとめられますか?

夫と生計を一にする家族のために、夫が実際に支払った医療費であれば対象になり得ます。ただし、妻など他の家族が負担した医療費を、後から自由に夫へ付け替えることはできません。

Q.医療費が年間10万円以下でも控除できますか?

総所得金額等が200万円未満の場合、差し引く金額は総所得金額等の5%です。そのため、医療費が10万円以下でも控除を受けられる場合があります。

Q.入院給付金を受け取ったら医療費控除はできませんか?

受け取った給付金が、給付の対象となった医療費より少なければ、差額を医療費控除の計算に含められます。また、給付の対象ではない別の医療費まで差し引く必要はありません。

Q.2026年12月の入院費を2027年1月に支払った場合は?

原則として実際に支払った2027年分の医療費控除の対象になります。

Q.医療費控除を受けるには領収書を提出しますか?

原則として医療費控除の明細書を提出します。領収書そのものの提出は通常必要ありませんが、明細書を領収書に基づいて作成した場合、確定申告期限等から原則5年間の保存が必要です。

まとめ|年末までに医療費を整理しておきましょう

医療費控除で重要なのは、単純に病院や薬局へ支払った金額を合計することではありません。

①生計を一にする家族の医療費か
②その年に実際に支払った医療費か
③保険金・高額療養費などを正しく差し引いたか
④所得に応じた基準額を超えているか

という4つの基本要件を確認する必要があります。

加えて、医療費通知に反映されない費用や入院時の付随費用なども見落とさないことが大切です。

2026年分の確定申告を迎える前に、医療費の領収書や給付金関係の資料を整理しておきましょう。

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個人事業主の方は、事業所得の計算とあわせて医療費控除などの所得控除を確認することになります。

法人経営者の方も、法人の決算・申告だけでなく、役員個人の所得税について確認しておきたい事項があります。

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情報基準日・注意事項

2026年10月22日現在。

本記事は、作成時点で公表されている法令・制度・行政上の取扱い等に基づく一般的な情報提供を目的としています。今後の法令改正や制度変更等により内容が変わる場合があります。

個別の事情に応じた税務上の判断については、税務署または税理士等の専門家にご確認ください。本記事の内容を利用したことによって生じた損害等について、当事務所は責任を負いかねますので、あらかじめご了承ください。

出典・参考資料

確認日:2026年10月22日

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