みずほ会計事務所
代表税理士 江尾 友宏
2011年に税理士登録。そして、2016年に独立開業。現在は地元・瑞穂市で「みずほ会計事務所」の代表税理士を務める。現在は、融資や補助金の活用、事業計画の策定を通じて、この街で事業を始める人を全力でサポートしている。また、地域の皆さんが相続や資産のことで不安を抱えずに暮らし続けられるよう、相続のサポートにも力を入れている。
CONTENTS
[補助金]
※本記事は2026年8月13日時点、第1回公募要領1.1版に基づいて作成しています。
2026年、新たな大型補助金として**「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」**がスタートしました。
名前から「これまでのものづくり補助金が変わったもの?」と思われる方も多いかもしれません。
公式には、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」や「中小企業新事業進出補助金」とは異なる補助金とされていますが、新製品開発、新市場への進出、海外展開などを一つの制度で支援する新たな仕組みとなっています。
補助上限は、条件によって最大9,000万円。
特に、
新しい製品やサービスを開発したい
自社の技術を使って別の業界へ参入したい
新たな顧客層を開拓したい
海外市場への進出を検討している
それに伴って機械設備や建物への投資を予定している
といった中小企業にとって、検討価値の高い制度です。
一方、従来以上に「補助金をもらうために機械を買う」という発想では利用しにくくなっています。
今回は、新制度の内容と、岐阜県内の中小企業がどのように活用できそうかを分かりやすく整理します。
※本記事は2026年8月13日時点、第1回公募要領1.1版に基づいて作成しています。
2026年、新たな大型補助金として**「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」**がスタートしました。
名前から「これまでのものづくり補助金が変わったもの?」と思われる方も多いかもしれません。
公式には、従来の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」や「中小企業新事業進出補助金」とは異なる補助金とされていますが、新製品開発、新市場への進出、海外展開などを一つの制度で支援する新たな仕組みとなっています。
補助上限は、条件によって最大9,000万円。
特に、
といった中小企業にとって、検討価値の高い制度です。
一方、従来以上に「補助金をもらうために機械を買う」という発想では利用しにくくなっています。
今回は、新制度の内容と、岐阜県内の中小企業がどのように活用できそうかを分かりやすく整理します。ら追加情報や変更内容が公表される可能性があります。
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金には、大きく3つの枠があります。
自社の技術やノウハウを活用して、革新的な新製品・新サービスを開発する事業が対象です。
補助上限額は従業員数によって異なり、
となっています。
大幅な賃上げを行う「賃上げ特例」を利用すると、最大3,500万円まで上限が引き上げられます。
補助率は原則として中小企業が1/2、小規模企業・小規模事業者等は2/3です。
ここで特に注意したいのが、単なる設備更新や既存の製造工程の改善だけでは対象にならないことです。
新しい機械を導入すること自体ではなく、その設備を使って「どんな新しい製品・サービスを生み出すのか」が重要になります。
既存事業とは異なる新市場・高付加価値事業へ進出するための投資を支援する枠です。
補助上限額は、
で、賃上げ特例を利用した場合は最大9,000万円です。
補助率は原則1/2です。
この枠の大きな特徴は、建物費も補助対象になり得ることです。
機械装置・システム構築費だけでなく、新事業のための建物費、広告宣伝費、外注費、クラウドサービス利用費なども対象経費として設定されています。
ただし、
「今まで作っていた製品を別の地域で売る」
「既存商品の種類を少し増やす」
「既存設備を増設して生産量を増やす」
といっただけでは、新事業とは認められない可能性があります。
新しい製品・サービスと、新しい顧客市場の組み合わせを明確にする必要があります。
海外市場の開拓、輸出に向けた国内の生産体制強化を支援します。
補助上限は新事業進出枠と同じく最大7,000万円、賃上げ特例を利用すると最大9,000万円。
補助率は2/3です。
さらに、
なども補助対象になります。
単に海外企業から注文を受けて設備を増強するのではなく、自社が主体となって新しい海外市場を開拓していく事業であることが求められます。
今回の補助金は、設備投資だけを支援する制度ではありません。
国は、設備投資によって企業の付加価値を高め、その成果を従業員の賃金にも還元することを求めています。
そのため、補助事業終了後3~5年間の事業計画で、原則として次の要件を満たす必要があります。
年平均成長率 4.0%以上
年平均成長率 3.5%以上
毎年、都道府県の地域別最低賃金より30円以上高い水準
を維持することが必要です。
特に賃上げ要件と最低賃金要件については、未達成の場合に補助金の一部または全部の返還を求められる場合があります。
したがって、
「採択されるために無理な売上計画や賃上げ計画を書く」
ことは避ける必要があります。
補助金申請時だけでなく、その後3~5年間の利益計画、資金繰り、従業員数、人件費まで考えたうえで申請することが重要です。
今回の制度では、設備投資や事業計画だけではなく、職場環境についての要件も設けられています。
例えば、申請までに**「一般事業主行動計画」**を策定し、「両立支援のひろば」で公表していることが必要です。
公募要領では、公表まで1~2週間程度かかる場合があるとして、早めの準備を求めています。
さらに「子育て等に関する職場環境整備」についても一定の取り組みが必要となります。
そのため、
「締切直前に補助金を知って申請書だけ作ればよい」
という制度ではありません。
GビズIDプライムの取得も必要なため、設備投資を検討している会社は早めに準備を始めた方がよいでしょう。
岐阜県には、輸送用機械、金属製品、機械、プラスチック、繊維、紙、窯業など、多様なものづくり企業が集積しています。
岐阜県の産業技術政策でも、製造現場の自動化・IoT化、高付加価値製品の開発、自動車産業の変化への対応、新分野への進出などが課題として挙げられています。
例えば、次のような事業が検討対象になりそうです。
これまで自動車部品を加工していた会社が、自社の高精度加工技術を活用し、半導体製造装置や医療機器など別分野向けの新製品を開発する。
既存の成形技術を活用して、従来の顧客とは異なる医療・介護・環境分野向けの高機能製品を開発する。
これまで受注生産していた機械製造技術を活用して、自社ブランドの新たな装置やシステムを開発する。
従来製品とは異なる用途の高付加価値商品を開発し、新たな法人市場や海外市場を開拓する。
もちろん、これらはあくまでイメージです。
実際に対象となるかどうかは「新規性」「市場」「顧客」「競争優位性」「投資内容」などを個別に検討する必要があります。
今回の公募要領で注目したいのが、審査項目に、
という視点が明記されていることです。
岐阜県では、2026年度の産業政策として、航空・宇宙・防衛、半導体、水素・アンモニア等の戦略産業クラスター形成も進められています。
そのため、例えば自動車関連企業が持つ加工・品質管理技術を航空宇宙や半導体関連へ展開する場合などは、
「新しい事業を始めます」
だけでなく、
なぜ岐阜県でこの事業を行うのか、地域の産業集積とどう結び付くのか
まで説明することが、事業計画を考えるうえで重要になりそうです。
今回の公募要領には、これまで以上に明確な注意事項があります。
外部の専門家からアドバイスやブラッシュアップの支援を受けることは認められていますが、事業計画は申請者自身が作成する必要があります。
申請者以外が作成したことが判明した場合、不採択だけでなく、採択取消しや交付決定取消しになる可能性も明記されています。
さらに、一定の事業者についてはオンラインによる口頭審査が行われます。
口頭審査は15分程度で、原則として申請事業者本人が対応し、外部コンサルタント等の同席も認められていません。
つまり、
経営者自身が「なぜこの事業を行うのか」「どうやって利益を出すのか」を説明できる計画であること
が重要です。
もう一つ非常に重要なのが、事前着手が認められていないことです。
交付決定前に機械設備などを発注・契約してしまった場合、その経費は原則として補助対象になりません。
「ちょうど機械を買う予定だから、とりあえず注文して補助金も申請しよう」
という進め方はできません。
設備メーカーとの納期調整も含めて、補助金のスケジュールに合わせて投資計画を立てる必要があります。
2026年7月17日にスケジュールが変更されています。
現在の第1回公募は、
公募開始
2026年6月29日
申請受付開始
2026年9月30日
応募締切
2026年10月30日(金)18時
採択発表予定
2027年1月頃
です。
古い情報では「9月30日締切」とされている場合がありますので、ご注意ください。
今回の新制度で最も重要なのは、
「この設備が欲しいから補助金を使う」
ではなく、
「会社として今後どの市場で、何を売り、どのように利益を増やすのか。そのためにこの設備が必要」
という順番で考えることです。
実際、公募要領の審査項目でも、
などが審査されます。
補助金を受けられたとしても、残りの自己負担分や消費税、補助金が入金されるまでの資金は会社側で用意する必要があります。
設備投資、新規事業、借入、補助金を別々に考えるのではなく、会社全体の資金計画として判断することが重要です。
2026年にスタートした「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」は、
を考える中小企業にとって、大きな設備投資を後押しする制度です。
一方で、単なる設備更新では対象になりにくく、3~5年間の付加価値向上や賃上げまで求められるため、採択されればよいという補助金ではありません。
今後、
「新しい設備を導入したい」
「新規事業を考えている」
「自社の技術を別の市場へ展開したい」
といった計画がある場合は、設備を発注する前の段階で補助金の対象になるかを確認しておくことをおすすめします。
みずほ会計事務所では、補助金だけでなく、設備投資後の売上・利益計画や資金繰り、借入を含めた事業計画全体を踏まえて検討していきます。
「まだ具体的な計画にはなっていない」という段階でも構いません。
新たな設備投資や新事業をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
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