みずほ会計事務所
代表税理士 江尾 友宏
2011年に税理士登録。そして、2016年に独立開業。現在は地元・瑞穂市で「みずほ会計事務所」の代表税理士を務める。現在は、融資や補助金の活用、事業計画の策定を通じて、この街で事業を始める人を全力でサポートしている。また、地域の皆さんが相続や資産のことで不安を抱えずに暮らし続けられるよう、相続のサポートにも力を入れている。
CONTENTS
2026年9月24日に国税庁の次世代システム「KSK2」が導入される予定です。KSK2の概要や税務調査への影響、岐阜の中小企業・個人事業主が今から確認しておきたい経理・税務上のポイントを税理士が解説します。
目次
国税庁は、2026年9月24日に国税関係の基幹システムを新しいシステムへ切り替える予定です。
この新しいシステムは、一般に「KSK2(ケーエスケーツー)」と呼ばれています。
KSK2の導入について、
「税務調査が厳しくなるのではないか」
「会社や個人の預金をすべて自動的に調べられるのか」
「事業者側で新しい手続が必要なのか」
と不安に感じている方もいらっしゃるかもしれません。
KSK2は、新しい税金や税制ではありません。また、事業者がKSK2というソフトを導入するわけでもありません。
しかし、税務署内における情報の管理や事務処理が、従来よりもデータを中心とした形へ変わっていくため、今後は申告内容の整合性や資料の保存状況が、これまで以上に重要になると考えられます。
KSKとは「国税総合管理システム」のことで、全国の国税局と税務署をネットワークで結び、申告、納税などに関する情報を管理する国税庁の基幹システムです。
国税庁は、KSK2の主な開発コンセプトとして、次の3点を挙げています。
特に注目されるのが、法人税、所得税、消費税、源泉所得税など、税目ごとに分かれていたデータベースの統合です。
これにより、複数の申告や届出に記載された数字の関係を、税務署側が確認しやすくなると考えられます。
KSK2では、AI-OCRを活用し、書面で提出された申告書、申請書、届出書などを読み取り、データ化・画像化する仕組みが導入されます。
これに伴い、一部の申告書や申請書、法定調書などの様式も変更される予定です。様式変更後は、原則として最新の用紙を使用する必要があります。
したがって、紙で税務手続を行っている事業者についても、「紙で提出しているからデータとして確認されない」ということではありません。
もっとも、KSK2の導入を理由に、直ちにすべての事業者に税務調査が行われるわけではありません。
大切なのは、紙か電子かにかかわらず、帳簿や申告書の内容を正確にし、根拠となる資料を保存しておくことです。
KSK2が導入されたからといって、税法そのものが厳しくなるわけではありません。
ただし、税目ごとのデータベースが統合され、データを中心とした処理が進むことで、複数の申告内容の食い違いや、例年と大きく異なる数値などを確認しやすくなる可能性があります。
例えば、次のような数字の関係には注意が必要です。
数字が異なること自体に、合理的な理由がある場合もあります。
重要なのは、数字が違う理由や取引の内容について、帳簿、契約書、請求書、通帳などを使って説明できる状態にしておくことです。
岐阜県の2021年経済センサスでは、県内の民営事業所のうち、個人経営の事業所が38.9%を占めています。また、従業者数では製造業が最も多く、県内全体の24.8%を占めています。
瑞穂市、岐阜市、本巣市、北方町、大垣市などの事業者を見ても、会社と代表者個人、家族、事業用の土地・建物などが密接に関係しているケースは少なくありません。
例えば、次のような取引です。
会社から社長へ地代や家賃を支払っている場合には、金額の妥当性だけでなく、契約書の有無や、社長個人側での申告内容も確認する必要があります。
家族に給与を支払っている場合は、実際の勤務内容、勤務時間、給与額の妥当性を説明できるようにしておくことが重要です。
名前だけを借りて給与を支払っているように見える場合には、経費として認められない可能性があります。
岐阜県では、事業活動にも日常生活にも自動車が欠かせません。
そのため、車両代、ガソリン代、自動車保険、修繕費などについて、事業用と私用の区分が問題になることがあります。
個人事業主の場合は、事業で使用した割合を合理的に計算し、その根拠を残しておきましょう。
建設業や製造業では、外注費、材料費、在庫、仕掛工事などの金額が大きくなりやすい傾向があります。
請求書だけでなく、工事台帳、発注書、納品書、作業記録などを整理し、取引の実態を確認できるようにしておくことが重要です。
事業用地、農地、貸地、相続した不動産などを所有している場合には、固定資産税、賃貸収入、不動産の売却、相続・贈与など、複数の税金が関係することがあります。
法人と個人のどちらが所有しているのか、誰が収入を受け取っているのか、取得資金を誰が負担したのかを整理しておく必要があります。
会社のお金と個人のお金を同じ口座で管理すると、取引内容が分かりにくくなります。
法人はもちろん、個人事業主についても、事業専用の預金口座やクレジットカードを使用することをおすすめします。
請求書を発行した日、入金された日、商品を引き渡した日、工事が完成した日などが異なる場合があります。
自社がどの基準で売上を計上しているのかを決め、毎期継続して処理することが大切です。
会社と代表者との金銭貸借、土地・建物の賃貸、車両の売買などについては、契約書を作成しておきましょう。
家族への給与についても、勤務実績や仕事内容を確認できるようにしておくことが重要です。
書類を保存するだけでなく、税務調査などの際に必要な資料をすぐに取り出せることも大切です。
電子メールやインターネットから受け取った請求書・領収書については、電子帳簿保存法に沿った保存も必要になります。
数か月分、あるいは1年分の会計処理をまとめて行うと、取引内容を忘れたり、資料を紛失したりしやすくなります。
できる限り毎月記帳し、預金残高や売掛金、買掛金などを確認しましょう。
KSK2への切替えに伴い、次の時間帯はe-Taxを利用できない予定です。
この時期に申告、申請、届出、納付などを予定している方は、余裕を持って手続を行いましょう。
2026年9月24日から、一部の納付書や所得税徴収高計算書の様式も変更される予定です。
現在使用されている8桁の「整理番号」は、13桁の「お問い合わせ番号」に変更されます。
また、税務署の窓口で配付される所得税徴収高計算書は、現在の複写式からA4サイズの単票式へ変更される予定です。
古い納付書が直ちにすべて使えなくなるわけではありませんが、税務署から新しい用紙が届いた場合には、記載方法や用紙の違いに注意しましょう。
KSK2は、税務署側の事務処理をデータ中心に変えていくためのシステムです。
「KSK2が導入されるから特別な節税対策をしなければならない」というものではありません。
必要なのは、これまでと同じく、
という基本的な対応です。
適正な経理と申告を行っている事業者にとっては、必要以上に心配するものではありません。
一方で、会社と個人のお金が混在している、長期間記帳していない、家族や関係会社との取引を書面にしていないといった場合には、KSK2の導入を機会に経理体制を見直しておくとよいでしょう。
みずほ会計事務所では、瑞穂市、岐阜市、本巣市、北方町、大垣市を中心に、中小企業・個人事業主の会計処理、税務申告、経理体制の整備を支援しています。
会社と個人のお金の整理や、現在の経理処理に不安がある方は、お早めにご相談ください。
※本記事は2026年7月21日時点で公表されている情報を基に作成しています。今後、国税庁から追加情報や変更内容が公表される可能性があります。
CONTACT
ご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問合せください。
専門スタッフが丁寧に対応いたします。
対応地域
【岐阜県内】瑞穂市|岐阜市|本巣市|北方町|大垣市|関市|美濃市|羽島市|各務原市|可児市|山県市|郡上市|下呂市|海津市|岐南町|笠松町|養老町|垂井町|関ケ原町|神戸町|輪之内町|安八町|揖斐川町|大野町|池田町
【愛知県内】名古屋市|一宮市|春日井市|津島市|犬山市|稲沢市|愛西市|清須市|北名古屋市|弥富市|あま市|飛島村
【静岡県内】静岡市|浜松市|磐田市|湖西市