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岐阜県の中小企業向け|少額減価償却資産の特例が30万円未満から40万円未満へ拡充されました

岐阜県の中小企業向け|少額減価償却資産の特例が30万円未満から40万円未満へ拡充されました

概要

岐阜県内で事業を営む中小企業・個人事業主にとって、設備投資は事業の成長や業務効率化に直結する重要なテーマです。

パソコン、プリンター、業務用冷蔵庫、厨房機器、美容機器、工具、測定器、事務所備品、クラウド対応のIT機器など、事業を続けていくうえでは、毎年さまざまな設備や備品の購入が必要になります。

令和8年度税制改正では、中小企業者等を対象とした「少額減価償却資産の特例」について、対象となる資産の取得価額が、これまでの「30万円未満」から「40万円未満」に引き上げられました。財務省の令和8年度税制改正大綱でも、対象となる減価償却資産の取得価額を40万円未満へ引き上げる内容が示されています。(財務省)

中小企業庁の案内でも、中小企業者等が40万円未満の減価償却資産を取得した場合、年間合計300万円までを限度として、取得時に全額損金算入できる制度として整理されています。(中小企業庁)

少額減価償却資産の特例とは

少額減価償却資産の特例とは、青色申告を行う中小企業者等が、一定金額未満の減価償却資産を取得した場合に、その取得価額を購入した年度に全額経費化できる制度です。

通常、10万円以上の固定資産を購入した場合には、原則として耐用年数に応じて数年に分けて減価償却を行います。

たとえば、パソコンや業務用機器を購入した場合、原則として一度に全額を経費にするのではなく、数年にわたって少しずつ経費化していくことになります。

しかし、少額減価償却資産の特例を使える場合には、一定の範囲内で、購入した年度に全額を経費にすることができます。

今回の改正により、この対象となる資産の取得価額が「30万円未満」から「40万円未満」へ引き上げられました。

改正のポイント

今回の改正の主なポイントは、次のとおりです。

項目内容
対象資産の取得価額30万円未満から40万円未満へ拡充
年間上限合計300万円まで
対象者青色申告を行う中小企業者等
適用期限令和10年度末、令和11年3月31日まで
手続き個人は青色申告決算書、法人は法人税申告書の別表・適用額明細書等で対応

中小企業庁の案内では、40万円未満の減価償却資産について、合計300万円まで即時償却できること、適用期限が令和11年3月31日までであること、法人の場合には法人税申告書に別表と適用額明細書を添付することなどが示されています。(中小企業庁)

岐阜県の中小企業にとってメリットが大きい理由

岐阜県内の中小企業では、製造業、建設業、飲食業、美容業、小売業、サービス業、士業事務所など、地域に根ざした事業者が多くあります。

瑞穂市、岐阜市、大垣市、本巣市、北方町、羽島市、各務原市などでは、車移動を前提とした店舗運営、事務所運営、現場対応、顧客訪問が多く、業務効率化のための設備投資やIT投資が欠かせません。

今回の改正により、30万円以上40万円未満の設備や備品についても、一定の条件を満たせば購入年度に全額経費化できる可能性が広がりました。

たとえば、次のような設備が検討対象になりやすくなります。

業種想定される設備・備品
飲食店業務用冷蔵庫、製氷機、厨房機器、券売機、POSレジ
美容室・エステ美容機器、施術ベッド、空調設備、予約管理用端末
建設業工具、測定器、現場用タブレット、業務用カメラ
製造業小型機械、検査機器、作業台、工具類
小売業レジ、陳列什器、防犯カメラ、在庫管理端末
事務所・士業パソコン、複合機、スキャナー、会議用モニター、ネットワーク機器

物価上昇により、以前は30万円未満で購入できた設備が、現在では30万円を超えるケースも増えています。今回の改正について、物価高により30万円以内で購入できていた設備が値上がりし、特例の対象外となるケースが増えていたことが背景として整理されています。

メリット1|購入した年の税負担を抑えやすくなる

少額減価償却資産の特例を使える場合、対象資産を購入した年度に全額を経費にできます。

たとえば、35万円の業務用機器を購入した場合、通常であれば数年に分けて減価償却することになりますが、特例の対象になれば、その年度に35万円全額を経費にできる可能性があります。

利益が出ている年度に設備投資を行う場合、税負担を抑えながら、事業に必要な設備を導入しやすくなります。

ただし、全額経費にできるということは、あくまで「課税所得を減らす効果」があるという意味です。設備の購入代金そのものが戻ってくる制度ではありません。

メリット2|経理処理・固定資産管理の負担を減らしやすい

30万円以上40万円未満の資産について、これまで通常の減価償却処理が必要だったものが、特例により一括で経費処理できる可能性があります。

中小企業や個人事業主にとって、固定資産台帳の管理、耐用年数の確認、毎年の減価償却費の計算は、意外と手間がかかる業務です。

特に、岐阜県内の小規模事業者では、経理担当者が専任でいない会社や、社長自身が経理資料を管理しているケースも少なくありません。

少額減価償却資産の特例をうまく活用することで、経理処理をシンプルにし、決算時の確認作業を減らす効果も期待できます。

メリット3|IT化・省力化への投資を進めやすい

岐阜県内の中小企業では、人手不足への対応、業務効率化、採用力強化、顧客対応の改善が大きな経営課題になっています。

そのため、次のようなIT化・省力化投資は、今後ますます重要になります。

  • 高性能パソコンの導入
  • クラウド会計・販売管理ソフトに対応した端末の整備
  • スキャナーや複合機によるペーパーレス化
  • POSレジや予約管理システムの導入
  • 防犯カメラやネットワーク機器の整備
  • 現場管理用タブレットの導入
  • オンライン会議用のカメラ・マイク・モニターの整備

30万円未満という基準では、少し高性能な設備を選ぶと対象外になることがありました。

しかし、40万円未満まで対象が広がることで、「安いものを選ぶ」のではなく、「業務効率が上がるものを選ぶ」という判断がしやすくなります。

注意点1|年間300万円までの上限があります

少額減価償却資産の特例は、40万円未満の資産であれば無制限に使えるわけではありません。

年間の合計額は300万円までです。中小企業庁の案内でも、40万円未満の減価償却資産について、合計300万円までを限度として即時償却できるとされています。(中小企業庁)

たとえば、35万円の設備を10台購入した場合、合計350万円になります。この場合、すべてが無条件で特例の対象になるわけではなく、300万円の上限を意識する必要があります。

決算前に複数の設備投資を行う場合には、購入時期、金額、対象資産、他の税制との関係を整理しておくことが大切です。

注意点2|青色申告であることが前提です

この特例は、青色申告を行う中小企業者等を対象とする制度です。

個人事業主の場合、青色申告決算書の「減価償却費の計算」欄の摘要欄に「措法28の2」と記載する必要があります。法人の場合は、法人税の確定申告書に別表と適用額明細書を添付する必要があります。(中小企業庁)

「買ったから自動的に全額経費になる」というものではありません。

会計処理や申告書の記載を誤ると、せっかくの制度を正しく使えない可能性があります。

注意点3|他の税制との関係に注意が必要です

設備投資に関する税制には、少額減価償却資産の特例以外にも、中小企業経営強化税制、中小企業投資促進税制、先端設備等導入計画に基づく固定資産税の特例など、複数の制度があります。

中小企業庁の案内では、中小企業経営強化税制のE類型の適用を受ける場合、その投資計画の期間中は少額減価償却資産の特例を受けることはできないとされています。(中小企業庁)

設備投資の金額や内容によっては、少額減価償却資産の特例を使うよりも、別の税制を検討した方が有利になるケースもあります。

特に、補助金を使って設備を購入する場合や、経営力向上計画、先端設備等導入計画などを検討している場合には、事前に確認しておくことが重要です。

岐阜県内の事業者が検討したい活用場面

岐阜県内の中小企業・個人事業主では、次のような場面で今回の改正が役立つ可能性があります。

飲食店・カフェ・テイクアウト店

瑞穂市、岐阜市、大垣市周辺では、車で来店するお客様を想定した店舗運営が多くあります。

厨房機器、冷蔵庫、券売機、POSレジ、キャッシュレス決済端末、店舗用備品などの更新は、業務効率や顧客満足度に直結します。

美容室・エステ・整体・サロン

美容機器、施術ベッド、空調設備、予約管理端末、タブレット、撮影機材などは、サービス品質や集客力に影響します。

30万円を超える設備でも40万円未満であれば、特例の対象になる可能性があります。

建設業・工事業・現場系サービス

工具、測定器、現場用タブレット、業務用カメラ、レーザー機器、現場管理用端末などは、現場の効率化に役立ちます。

人手不足が続く中で、作業時間を短縮できる設備への投資は、岐阜県内の建設業にとっても重要です。

事務所・士業・専門サービス

パソコン、スキャナー、複合機、会議用モニター、ネットワーク機器、防犯カメラなどは、事務所運営の効率化に欠かせません。

電子帳簿保存法、インボイス制度、クラウド会計、オンライン面談などへの対応を進めるうえでも、IT機器への投資は重要です。

決算前の「駆け込み購入」には注意

少額減価償却資産の特例は便利な制度ですが、節税だけを目的に不要なものを購入するのはおすすめできません。

設備投資は、あくまで事業に必要なものを、適切なタイミングで導入することが大切です。

次のような視点で検討するとよいでしょう。

  • 本当に事業に必要な設備か
  • 導入により売上増加や業務効率化が見込めるか
  • 資金繰りに無理がないか
  • 他の税制や補助金との関係はどうか
  • 決算日までに取得し、事業の用に供しているか
  • 請求書・領収書・納品書・支払記録がそろっているか

「買えば節税になる」という考え方だけではなく、「事業に必要な投資を、税制も踏まえて計画的に行う」という考え方が大切です。

みずほ会計事務所でサポートできること

みずほ会計事務所では、瑞穂市を中心に、岐阜市・大垣市・本巣市・北方町など、岐阜県内の中小企業・個人事業主の税務・会計・資金繰り・設備投資に関するご相談に対応しています。

少額減価償却資産の特例について、次のようなお悩みがある方はご相談ください。

  • この備品が40万円未満の特例に該当するか確認したい
  • 決算前に設備投資をしてよいか相談したい
  • パソコンや業務用機器を購入する予定がある
  • 補助金と税制の関係を確認したい
  • 経営力向上計画や先端設備等導入計画も検討したい
  • 固定資産台帳や減価償却の管理を整理したい
  • 法人税・所得税・消費税への影響を確認したい

設備投資は、税金だけでなく、資金繰り、融資、補助金、業務効率化とあわせて考えることが重要です。

岐阜県内で設備投資を検討している中小企業・個人事業主の方は、早めに計画を立てておきましょう。

まとめ

令和8年度税制改正により、中小企業向けの少額減価償却資産の特例は、対象となる資産の取得価額が「30万円未満」から「40万円未満」へ拡充されました。

これにより、これまで通常の減価償却が必要だった30万円以上40万円未満の資産についても、一定の条件を満たせば、年間300万円まで購入年度に全額経費化できる可能性があります。

岐阜県内の中小企業・個人事業主にとっては、パソコン、業務用機器、店舗設備、工具、IT機器などの導入を検討しやすくなる改正です。

一方で、青色申告であること、年間300万円の上限があること、申告書への記載が必要であること、他の税制との併用関係に注意が必要であることなど、確認すべき点もあります。

設備投資を行う際は、単なる節税ではなく、事業の成長や業務効率化につながる投資かどうかを考えながら、計画的に進めていきましょう。

注意書き

※本記事は、令和8年度税制改正大綱、中小企業庁の公表情報、関連報道等をもとに、一般的な情報提供を目的として作成しています。制度内容、適用要件、申告手続き、他の税制との関係等は、今後変更される可能性があります。実際に制度を活用する場合は、必ず国税庁・中小企業庁等の最新情報をご確認いただくか、税理士等の専門家へご相談ください。

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